五線の必勝法
きっとどなたも、学生時代に、友達と、紙の上でこのゲームをしたことがあるでしょう。
ルール:
棒が何本か紙に書かれている。最もよく見られるルールは、「1列目に縦棒1本。2列目に2本。・・・5列目に5本。」とピラミッド状に並んだものである。しかし、ここではもっと一般的に考えて、1列目に
本、2列目に
本、・・・
列目に
本・・・
列目に
本あるとする。2人が交互に棒を消していく。消すことができるのは、横に連続している棒のみ。途中ですでに消してある棒を横切ることはできないし、異なる列の棒を同時に消すこともできない。そして、最後の棒を消した人が勝ち。このことは次のように定式化できる。まず、集合
とする。各プレイヤーは
に対して次のような操作
をする。
操作
:
の元を一つ選び、それを
とする。そして、2つの0以上の整数
を
となるように選ぶ。そして、
の中から
を除き、
が0より大きければそれを
に付け加える。
この操作
を交互に行い、
を空集合にしたプレイヤーの勝ちとする。
定理の前にいくつかの関数を定義する。
を2進法で表す。このとき、
の
桁目の数字を
で表すことにする。
定理:
五線は、次の場合、後手必勝である。
任意の
に対し、(*)が成り立つ。
(*)
それ以外の場合、先手必勝である。
証明:
初期状態から、先手が操作
を行い、
を
にしたとする。
この操作のあとの
に対しては、「任意の
に対して(*)が成り立つ」ことはない。なぜなら、もし成り立ったとすると、
任意の
に対して、

となる。すると、
が成り立つ
については、
あるいは
が成り立つ。
よって、
となるが、これは、操作の条件
と矛盾する。
そのため、操作
の後は(*)が成り立たない。ここで、(*)が成り立たない最大の
を
とする。このとき、
である。なぜなら、もし
とすると、
となり、また、
に対して、
となる。よって、
となり、矛盾が生じる。
だから、
であり、
。
ここで後手は、
であり、操作
前には任意の
に対して(*)が成り立っていたことから、操作
後の
から、
であるような
を選ぶことができる。後手は、
から
をとり、任意の
に対して、操作後に(*)が成り立つように、
を選ぶことができる。よって、後手は、
を
にする操作を行えば、任意の
に対して(*)が成り立つようにできる。
さて、
の元の数の総和は、操作をするたびに単調に減っていく。よって、いつかは
は空集合になり、ゲームは終了する。
ゲームが終了するとき、それは任意の
に対して(*)が成立しているから、最後の操作をすることができるのは後手である。よって、後手必勝。
それ以外の場合、先手必勝であることを次に示す。
(*)が成り立たない
のうち最大のものを
とする。すると、
であるような
の元
が少なくとも1つ存在する。それで、
を選び、操作後に、任意の
に対して(*)が成り立つように、
を選ぶことができる。よって、
を
にする操作を行えば、任意の
に対して(*)が成り立つようになる。前の場合の結果より、先手必勝となる。
(証明終わり)
一般に行われている五線のゲームでは、最後の棒を消した人が負けとするルールのほうが多いかもしれない。しかし、必勝法は、上に示した証明とほぼ同じで考えることができる。